沖縄に行くと、「とっくりやし」に出会えます。
これですね。
私は、初めてこの植物を見た時に、時間が停止しました。
「なんという曲線美!」
感嘆しました。
でも、これに似たモノで、「とっくりやしもどき」も有ります。
対象物の大きさが違うのと、同じ種でも個々に形が異なるので、一概に言えないですが、
とっくりやしの方が曲率が高い、要は丸い感じがします。
でも何故、「とっくりやしが「とっくりやし」であり、「とっくりやしもどき」が「とっくりやし」ではないのでしょうか。
くだらないですか?
いや、永遠の課題です。
とっくりやしのほうが、美しいと評価されたのでしょうか。
「もどき」は何が、どの基準で劣るのでしょうか。
とっくりやしの方が先に生まれて、「もどき」君は後からまねたのでしょうか。
それとも両者には何の因果関係も無く偶然の存在なのでしょうか。
だとすれば、命名するのは人間の勝手であり、「もどき」側には無関係の話で、
人間が勝手にさわいでいるだけのテーマですが、
別名があってもいいですね。
ダーウィンの進化論をもう一度考えてみる必要がありそうです。
ところで、「~もどき」って何でしょうか。
英語では、faced、これはきついですね。「~まがい」という意味です。
せいぜい、「~like」だと、もどき君も納得するかもしれません。
もどきって、「擬き」と書くんですね。まさに擬態の意味。
辞書によれば、その意味は、
名詞の下に付いて、それに匹敵するほどのもの、また、それに似て非なるものであるなどの意を表す。
とのこと。
これは食べ物なら許せる気がします。人間が目的を持って作ったので。
雁の肉に味を似せたとされることから「がんもどき」はしっかりとしたステイタスがあります。
誇ってよい!
でもこれが生物だと違いますね。
オリジナルの何かが秀でていて、「もどき」はただ似ているだけなのに、
独自の名称をもらえず、「もどき」と定義づけられる!
厳しい現実です。
マグマ大使の「人間モドキ」は、人工的に作られた植物生命体なのだそうで、
これはこれでステイタスがあります。問題から除外です。
木の葉蝶や花カマキリは、明らかに擬態であり、その優れた外観から「もどき」にはなりませんでした。
めでたし、めでたし。
トカゲモドキ、ウメモドキ、サクラモドキ、カマキリモドキ、・・・・
まぁきりがないのですが、別名をもらえている生物もいます。
最後に、科学的物質にまで、モドキがありました。以前このブログで、辛さのグレード「スコビル値」で
紹介したカプサイシンにもモドキがありました。
カプサイシンは唐辛子の辛味成分である、アルカロイドですが、
似たモノにノルディハイドロカプサイシン(ノルジヒドロ・・ともいう)があり、
これはカプサイシンモドキと言われているそうです。
そして辛さはカプサイシンに次ぐステイタスがあります。