テスラモータースは、USAのカリフォルニアにあり電気自動車を販売する自動車会社です。
あの決済サービス「ペイパル」の共同創業者、イーロン・マスク氏が立ち上げました。
電気自動車(EV)の代表作としてTHE TESLA ROADSTER(写真↓)がすでに販売されており、2008年上旬にデビューしました。
現在、2,100台以上のRoadsterが32の国々で一切の排気なしに走っています。
愛用者にはUSAの名だたる有名人がいます。たとえば、ジョージ・クルーニー(俳優、映画監督)、マット・デイモン(俳優、脚本家)、キャメロン・ディアス(女優)、マイリー・サイラス(歌手、女優)、ウィル・アイ・アム(ラッパー、ミュージシャン、ソングライター)。
何故、このように電気自動車に米国がこだわるのでしょうか。
化石燃料たるガソリンが不足すること、車の排気ガスが地球温暖化を促進していることを危惧してでしょうか。
もちろん、それは分かりやすい理由です。しかし米国は世界のリーダーを標榜する割には、環境汚染を徹底して防ごうとする欧州諸国に比べその意志は弱いと思えます。
米国は京都議定書には調印していません。一方電子部品の世界での生産規制でRohsやReachなどの法規制は、欧州発信の規制です、米国と云えば、軍事目的の規制ぐらい。
米国政府と民間企業は思想は異なるかもしれませんが、私の独断と偏見によれば、アラブ諸国と意識しているはず。「アラブ諸国=石油」ですね。
両国家の敵対関係もガソリンの確保を巡る問題が理由の多くを占めています。ガソリンの価値が下がれば、即アラブ諸国の凋落です。世界の勢力完成が変わります。米国がこれを目指さないわけは無いでしょう。
さて、テスラ社のロードスターが、日本で最初に販売されたのは、ガリバーのオークションです。880万円で落札されたそうです。現在の販売価格は、1400-1800万円だそうで、一昔前の電気自動車のプロトタイプは、確か3億円ぐらいと言われていたので、その後の技術革新と量産効果で一般的な高級車レベルの価格まで下がったんですね。
構造は今までのガソリンエンジンと全くことなるので、家電業界、特にPC業界の技術革新も量産実現には、相当貢献しているようです。特にバッテリー、そうリチウム電池ですね。
日本で充電する場合、100V15Aで30時間必要。でもこれはアダプターを改良中で、近いうちに半分の時間で済むようになるそうです。この一回の充電で、約400kmを走行。最高時速は200km/Hに達します。米国のハイウェイ、ドイツのアウトバーンなど制限時速の無い高速道路で走るのでなければ、十分です。
思い出しますが、欧州駐在の頃、ドイツのアウトバーンをBMWで220KMで走っていると、ポルシェが後ろにぴったりとくっつき、あっけなく追いぬかれるというのでしょっちゅう経験していました。このポルシェのドライバーには、ロードスターはまだ物足りないかもしれません。
日本での紹介ビデオがあります。
ところで、この会社の名前であるテスラですが、(実はこれが言いたかった)Nikola Teslaです。
最終的にはアメリカ市民となった物理学者ですが、オーストリア生まれのセルビア人でクロアチア、ハンガリーなどに移り住んでいます。
テスラは、同時代に生きた発明王の代名詞でもあるトーマス・エジソンと比較され、直流のエジソン、交流のテスラなどといわれます。
私も高校で物理を習って、初めて彼の存在を知ったほど。日本では有名でなかった。
電磁気学の磁束密度の単位にテスラという名前が使われています。1Wb/m2=1T(Tesla)であり、1T=104G(Gauss)=1Wb/cm2、SI単位系でTesla、CGS単位系でGaussが使われているんですね。
ちなみにこのGaussは、以前このブログでも紹介した天才数学者カール・フリードリヒ・ガウスにちなんだ単位名です。
磁束密度は天才数学者と天才物理学者の両方に関係の深い概念なんです。
確かにこの電磁気学の疑問から現代物理学者の頭を悩ましている量子論が生まれていくので、とても興味深い。
ではなぜ、エジソンはとても有名になり、テスラはさほど有名でないのでしょう。お互いに発明家ですが、エジソンはより実践的、消費者に分かりやすく便利なものを次々と発明しました。数理物理的裏付け、研究というより、実験の試行錯誤を繰り返すという手法でした。エジソンの有名な格言に「発明は1%とひらめきと99%の努力・・・」という言葉に示される通りです。
一方、テスラは、後世で評価されるも、当時は一般的には理解しがたい研究に時間を費やしています。
とはいえさすがに交流電流は有名で、現在「電気」といえば一般的に交流を指します。というのは直流は送電で減衰するので、送電で、減衰しにくい交流が一般的に利用されているからです。しかし、当時はエジソンの直流の方が、理解者が多かったのです。
その他に、誘導電動機(交流モーター)、テスラコイル(2次側高圧発生装置)、テスラタービン(羽のないポンプ)などの発明があり、これらにヒントを得た研究者たちにより、使いやすいものが発明されていきました。
しかし彼の発明には、殺人光線と呼ばれる物騒なものもあります。より遠くへ届く現在のレーザー光線のようなものらしいです。
さらには、世界(無線)システムと呼ばれる装置は、交流電流を無線で飛ばして、空中から取りだすというもの。これができていたら、電源コードは不要となり、掃除機のコードを足に引っ掛けることもなくなり、部屋の中で使っていた掃除機を車に持ち込で吸引できます。冒頭の電気自動車も「どこでも充電」できるということになります。しかしこれは挫折したというこことで記録されています。
最後に「反重力」装置の発明も手掛けていたらしいですが、資料は散逸しており、公式記録にはなっていません。この世に存在する力、例えば電気、磁気などは反対の力があります。「+、-」、「N極、S極」ですね。しかし、重力には互いに反発する相手となる力はありません。こんな力を作れたら、空中にモノを浮かばせることができます。「自由落下」ならぬ「自由上昇」ができます。逆バンジージャンプも可能!
ときどき、ニュースになるUFOはこの反重力装置の後継者による実験なのでしょうか。