営業という職種の評価にはいろいろありますね。
日本国内で営業というと、どちらかといえば、その他の専門職よりも
ステイタスが低い印象があります。
「営業にでもなるか」、「営業でもやらせておけ」、「営業ぐらいしかできないものなぁ」
などのつぶやきがよく聞こえます。
はたしてそんなものでしょうか。
そもそもこの印象は、次のような評価から来ています。
他に、たとえば技術的な職能、専門職たる経理などの資格を持たないから、
営業ぐらいしかやれることがない。
人と話すだけの連絡役(メッセンジャー)にすぎず、プライドなく、
下手に出て、客に媚を売る様が見栄えがよくない。
などでしょうか。
これがズバリだと思います。
もちろん、すぐに反論が出るでしょう。
客と交渉するのは容易ではないし、なかなか言いたいことを言うには勇気がいる。
誰にでもできる仕事ではない。
本体、営業というものは必要不可欠な会社の機能です。
営業部はあるものの、以外にまともな営業機能がない会社も多いのです。
顧客からの注文がなければ、売上が生まれず、会社に利益は落ちません。
絶対にこていの顧客と需要があるとか、いつまでも、決して他の会社にまねのできない商品があり、
何もしなくても売れ続ける、というのは稀です。
営業は、顧客側の企画への提案者であり、
会社の販売計画を遂行するプランナーであり、
利益を監視するマネージャーで、
もちろん新規顧客を獲得する開拓者です。
そして、その会社の品質(製品、技術などの総合的な質)を売るSEです。
総合的には、対顧客、対社内のネゴシエーターです。
ドイツの話ですが、この国は教育制度に技術者(マイスター)を輩出させる仕組みがあり、
多くの優秀な技術者がいます。
製造業などではドクターコース出身者は優遇されます。
しかし、それと度同等、それ以上に、営業(SE)は、
優遇されます。
マイスターは専門技術者ですが、それは売れるポテンシャル(可能性)であって、
実際に技術を商品として売るのは、営業だからです。
打ち合わせには、情報収集や、通常のフォローアップは単独ですが、
目的に従い、専門部門の者を同行させます。
関連部門に次のアクションの指示を与える役目を持ちます。
ドイツのいう国民性が、人とのコミュニケーションよりも、
こもって研究するタイプであることが、このような状況を生むのでしょうけれど、
日本の場合、本来の営業という部門に、「デモシカ」でなる営業マンが多いため、
ドイツの場合とは異なっています。
経験を積んだ熟年層が営業のアドバイザーになるってのも妙案かなと思います。