仕事柄、いろいろな国の人に会います。もちろん、アジアに居れば、今、住んでいるマレーシア人ばかりでなく、まぁ、ここにまとめるにはブログの記事欄が足りなくなりますね。その中で、一番、気になるのが、やはり近くて遠いと言われる中国人と韓国人でしょうか。「歴史的観点を踏まえてこれらの国との関係を厳密に語る」なんてのは、荷が重いですね。あえてビジネス的付き合いの観点から語る方が、私には正直で良いです。
というわけで、重たくない話題、明るいジャンルから入ることにします。
これ何て読むのでしょうか。Jiyoung、そうジョンですね。
KARAのカン・ジョンが知英(ジョン)という名で、日本で俳優デビューしたそうです。
事務所はスイートパワー。堀北真希、黒木メイサ、桐谷美玲といったタレントが所属している芸能事務所。
9月6日にさいたまスーパーアリーナで開催される第19回東京ガールズコレクション(TGC)が、知英の初デビューとか。事務所としては日本を中止にアジアを狙える俳優を目指すのが目的のようです。
日本と韓国は、2002年にはサッカー・ワールドカップを共同主催で来ています。一昔前の韓流ブームに端を発し、一時は友好化に向かうかと思われましたが、今は、また距離が開いた感があります。
特徴的だなと思われるのは、先日、ローマ法王が韓国に訪問した際、元従軍慰安婦と称する人たちをミサの最前列に座らせるなど、今を象徴した出来事。その前の竹島問題など。朴大統領になってから何かとお騒がせな韓国であるということ。日本はどちらかというと、それらのパフォーマンスに真っ向から乗せられていはいません。しかし、快くなく思う考えから、日本人の韓国に対する好感度は非常に微妙なものになっていると思います。日韓関係はとても難しく自分では簡単に自分の意見を明確に言えない、特に悪い感情を持っていない人でも、否定的な周りに乗せられて知人の強い意見に付和雷同するというのが一般的ではないでしょうか。そして、時と場合により、否定的意見の人も、説得力のある逆の意見に出会ったとき、歴史的な事実を学んだとき、個人的に韓国人と仲良くなったときなど、意見はころころ変わってしまうとのも本音でしょう。
私は自分で、この両国の関係を学び、交流関係を作り、本音を聞き、言い合い、自分の意見を確立すべきだと思っています。その上で、やはりいやな国だ、もう付き合いたくない、あるいはアジアの将来を共同して作り上げられるソウルメイトだと自覚した、これからも協力関係を築いて行こうとするかは、その人の採択次第だと思います。
ビジネスの世界では、韓国はとても重要なパートナーになっています。もちろん、商売のやり方が韓国は日本より激しいので、それなりの注意と配慮が必要です。しかしビジネス上の警戒は当たり前のこと、ビジネスでは相手国の数だけ、ハンドリングマニュアルは必要です。
我々は、それは当然なのですが、直近の印象深い歴史上の国家間の関係性が、永遠の昔からその関係であったかのように錯覚します。今の私たちは、第2次世界大戦が大きなトピックです。この事件の前後では相当、状況が違うはずです。
少なくとも、中国、韓国(長い歴史の中では、逆に朝鮮と言った方が適切でしょう)から日本に文化が流れてきました。日本は独自の文化を咲かせたとはいえ、彼らは先輩であり、先生であったわけです。そういう意味では、彼らを敬う必要があるわけです。
私は仕事の面で、韓国人の本音を良く聞きます。「国家が小さい、そして人口も少ない。日本もサイズ的に大きくないが、努力して小国ながらも欧米諸国に肩を並べている。日本人が80時間残業するなら、韓国人が100時間やるんだ。」と言います。「エレクトロニクスで、負けないためには、日本の技術者を短期的に買収してでも遅れを取ってはいけないんだ」という意見を聞きます。それが、例えば今の韓国の大企業サムソンを支える考え方ですね。よく、そのやり方が極端すぎて、ときどき勇み足をしてマナーを守らない行動に出てしまうので、欧米系企業から叩かれます。それが韓国。
しかし、その完成度を求める意志の強さ、妥協しない考えは日本に酷似していて、仕事の結果を出すことにおいて信用できるパートナーです。アジアに限って言えば、各国それぞれ長所があるものの、仕事の相手として、その会社のキーマンが韓国人か台湾人だととても完成度が読みやすく、やりやすい相手ということになります。もしかすると、この見え方は、日本から一度出てみないと分かりにくいかもしれません。
日本の内側に目を向ければ、「在日」という考え方に遭遇します。その定義、呼び方には厳密性があるようですが、長くなったのでここでは掘り下げません。またの機会にしますが、注目すべき影響力のある韓国系の人たちは結構たくさんいます。私の興味ある分野では、力道山、大山倍達、松田優作、孫正義。彼らのことを、日本人として誇らしげに感じている人たちは多いはず。
ところで、学生の頃、よくルドルフシュタイナーの著作を読みました。彼の「自由の哲学」の中で、人類の歴史は「魂の進化の歴史」というくだりがありました。世界は、戦いの時代から平和の時代に向かいつつあるようです。人間には闘争本能があるから、戦いはなくならないんだと主張する人がいます。平和の時代も、たとえばスポーツで勝ち負けを楽しむのだという根拠で主張する人も居ます。はたしてどうでしょう。足ることを知り、相手の痛み分かれば、緩和しないでしょうか。人類は進化する存在と信じたいですね。
いろいろ批判はあるものの、欧州はEUとして統合しました。統合前に住んだことのある私としては信じられない出来事。荒唐無稽な話でした。その結果、国家間のアンバランスで、ギリシア、キプロス、イタリアなどは経済面で統合の結果、良い結果にはなりませんでした。とはいえ、私がすごいと思うのは、あえて断行したことです。この間、TV番組で「日本人が行かない国」のひとつに挙げられた「スロベニア」に、私は統合直後、言っていますが、小国とはいえ、誇りを持っていました。個人的にはとても感じの良い国だったのを覚えています。ちなみに、スロベニアの隣の国のクロアチアの方が知っている人が多いかもしれません、そう、格闘家「ミルコクロコップ」の出身国。クロアチアも昨年EUに加盟しています。
アメリカ圏やアジア圏では、こんな統合は到底できません。国家間が統合するなどということは、現時点では断じてできるはずの無いことです。欧州が良い面ばかりではありませんが、魂の歴史がアジアより少し長かったようです。欧州では見知らぬ人同士がエレベータで出会えば、必ず挨拶します。マナーを守ります、少なくともアジア圏の人たちよりは。また、仕事が人を滅ぼすことはありません、労働者はサービス残業などしません。それでいて「成り立って」います。
そういう面でですが、アジアは、そして日本はまだ野蛮です。
近くて遠い国をどうの言う前に、自己反省すべき点はたくさんあります。
これも欧州統合以上に荒唐無稽な話と一笑に付されるでしょうが、アジアが欧州、そして米国とも真に仲良くするために、日本がアジア圏を牽引できるなら、韓国、中国、台湾は力強いパートナーになります。すぐには無理なのはわかりきっています。
そんな中で、一人でできることは身の回りの小さな世界に触れるだけで限られていますが、私は、出会った外国の人たちとそうすれば、よりよい関係を育むことができるのか、毎日、気を付けています。
話を戻します。日本は、ビジネスの世界、そしていエンターテイメントの世界、つまり芸能界は、時代の進みという観点で進んでいます。しかし、政治面ではその構造、目的上、どうしても遅れていると言わざるを得ません。そいう意味で。隣国は、日本の優れた面を潜在的に、本能的に感じ取り、政治面では諸問題あるものの、進化しようとしています。
一昔前の韓流ブーム(個人的な趣味は有りませんwww)、この知英の転身も日本に接することによる将来性を見据えた動きだと思うのです。