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以前から気になっていたこの物質!ちょっと、メスを入れてみました。すると、これほどまでに効果的なものだとは思いませんでした。私の癖で、どうしても、まずどんな物質なのか、化学の観点から見てしまいます。

すると、意外にシンプルな姿が。化学式は、C6H8O7。

クエン酸

疲労回復や、生活習慣病等の予防、改善に聞くといわれてきたこのクエン酸ですが、何に含まれているのでしょうか。そう、柑橘系のフルーツ類で、例えば、レモン、みかん、グレープフルーツ、温州みかん、夏みかんなど。他には、梅干し、桃、いちご、キウイ、リンゴ酢などです。

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とても身近な食物に豊富に含まれているのですが、自然界には、水溶液として弱酸性のクエン酸そのものと、弱アルカリ性のナトリウム塩(クエン酸ナトリウム)やカリウム塩(クエン酸カリウム)があります。どちらも食用です。いずれも体に入るとアルカリ性になるので、アルカリ食品と考えて下さい。

クエン酸の効果を見ていきましょう。

疲労回復

運動後やストレスなどで蓄積されていく疲労物質が「乳酸」であることは良く知られています。クエン酸には、これを炭酸ガスに分解して尿として排出する作用があります。乳酸は筋肉痛の原因ともなるので、筋肉痛予防としても効果的です。細胞のミトコンドリアの中の「クエン酸回路」という、糖質や脂質をエネルギーとして変換するメカニズムをよく働かせるために、クエン酸を十分量摂取することで乳酸の生産自体も抑制できるのです。

ブドウ糖は過剰に摂取した場合、グリコーゲンや脂肪として蓄えられますが、グリコーゲンは必要な時にすぐ分解され、ブドウ糖として体が再利用します。運動後はブドウ糖を単体でとるよりも、そこにクエン酸を加えた方が、グリコーゲンを多く貯蔵できることもわかっています。ロサンゼルス・オリンピック大 会以後、バナナとオレンジジュースの取り合わせが、急速グリコーゲン・ローディング食 として、スポーツ界一般に広く採用されるようになりました。


カルシウム不足の解消

カルシウムは骨や歯の構成要素としてだけではなく、体の生理機能を調整し心を安定させる働きがあります。血中に存在する機能カルシウムの(有効なカルシウムという意味)働きは筋肉の収縮,神経伝達物質を放出し、興奮や緊張の緩和、血液凝固、動脈硬化や高血圧の予防、骨粗しょう症の予防、イライラを鎮めるなどさまざまな生理作用があります。

カルシウムの摂取することも重要ですが、体の中での消費量を減らすことも重要ですね。

クエン酸には、そのカルシウムの体内消費量を減らす効能があります。

健康な人の体液は弱アルカリ性を保っていますが、ブドウ糖が体内にたまり乳酸が増えると体液は酸性に傾きます。私たちの体は、体液が酸性への傾くとそれを中和するために、アルカリ性のカルシウムなどが使われます。クエン酸があれば、ブドウ糖や乳酸を増やすことがないので、そのためにカルシウムの消費量を減らすことができます。

またクエン酸は、カルシウム吸収を助けるといわれています。 カルシウムはクエン酸と結合すると溶解力が強くなって、体内に取り込みやすくなるからです。


血液サラサラ

中性脂肪の燃えカスである「レムナント」の量が増えると、もろくなった赤血球の膜が破れて血液中にADP(アデノシン2リン酸)という物質が放出され、血小板の凝集性を高めるため血小板がくっついてしまいます。これが、いわゆる血液ドロドロの状態を作ります。クエン酸は、血小板の凝集を抑えるとともに、赤血球の膜も柔軟にするため、血液をサラサラにするのです。ドロドロ血液が原因となる疾患っとして代表的な動脈硬化が予防できます。、


血圧を上げる

血圧を上げる働きを持つ、ACEという酵素の働きを1/10まで低下させます。生命にとってある程度の血圧は絶対に欠かせないものですので、このACE酵素も必要ですが働きすぎるのは問題。ましてや動脈硬化が進んでいる血管には、過剰な負担を強いることになります。高血圧の治療薬として用いられているのがACE阻害薬、つまりこの酵素の働きを押さえるものですから、クエン酸は薬品並みの効能を持っているのです。

先述の血液をサラサラに維持する効果と、この血圧を下げる効果により、高血圧ばかりでなく、心筋梗塞、脳梗塞、腎臓病などの疾患に予防効果があります。


 アンチエイジング

老化防止ですね。そもそも老化の原因は、「酸化」によるもの。抗酸化作用が確認されているクエン酸には、老化防止効果があります。


ガンの予防

細胞を酸化する「活性酸素」は、ガンの主原因のひとつ。クエン酸の「活性酸素」を除去する作用で、ガンを予防します。


痛風の予防

クエン酸は尿酸値を下げ、痛風の予防をするのに役立ちます。高尿酸値による尿路結石の治療薬としてクエン酸が使われています。


美肌効果

クエン酸には、キレート作用といわれるミネラルの吸収促進作用があります。摂取した金属ミネラルが酸化される前に、クエン酸がミネラルを包み込み、体に吸収されます。ミネラルは人体が健康・美容を維持するのに非常に重要な栄養素です。野菜不足に偏りがちな現代人には不足しがちです。クエン酸の摂取による血流改善、そしてこのミネラルの吸収促進により、美肌効果が見込めます。

また、これは外用として、クエン酸の洗顔による「ピーリング」作用は肌の汚れ、くすみを取ります。

肌荒れ、肌のくすみ、乾燥肌、小じわ、毛穴の角栓、にきび、にきび跡、シミ

クエン酸を入浴剤として用いることにより、美肌効果の他に「体臭予防」が期待できます


その他の効能など

さて、それでは、ダイエットとの効果はどうなのでしょうか。これほどの効果が期待できるクエン酸ですから、健康を意味する「痩身」の効果はあるのか。実は、直接作用することはないようです。というより、運動後の余分は脂肪の蓄積防止に役立つものの、常に脂肪を分解する作用は有りません。「ダイエットサプリ」と表現するのは言い過ぎのようです。

しかし、自然界でこのクエン酸を含む食物は、ほとんど、ポリフェノールを含んでいます。最近、話題になった
エリオシトリン」にこそ、脂質分解作用があるし、その効能はクエン酸の作用と共存するので、皮ごと柑橘系の食物からクエン酸を摂取すれば効果的です。もちろん皮と果汁は同時に取らなくても良いです。
では朝食時や運動の後に簡単に作れるクエン酸の飲み物を紹介しておきます。

クエン酸 ドリンクや、さらにはこれは錠剤サプリですが、クエン酸サプリ(錠剤タイプ)などはいかがでしょうか。

 さらに蛇足です。これは外用。わかりやすく言えば、掃除用の目的で使う方法です。詳しいサイトを見つけました。こちらを参照ください。私も週末、頑張って掃除を手伝っています。

重曹、クエン酸、セスキ炭酸ソーダの効果的な使い方

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