旅行に出るとき、必ず携帯用の「薬」を持っていくと思います。
特に海外に出向く場合、現地の薬には抵抗があるし、適した薬を簡単には手に入れることができないので。そんな時に用意するのは、まず「胃腸薬」、特に「下痢止め」、次に「風邪薬」でしょう。その他、不意な擦り傷用にカット判が必需品かな。その他は、個人差があるでしょう。私の場合、インドなどの熱帯地方に行く時は「イソジン」、これは私の記事「インドのトイレ事情」に解説があります。
筆頭に上げた、下痢止めですが、日本でもポピュラーなのが、「ゲンンノショウコ」という薬草。下痢に効きます。なにもこれを持ち歩いて、煎じて飲めというわけではありません。錠剤を持っていけば良いのですが、携帯用の下痢止薬品の成分表示に、クレオソートなどと一緒に記載されています。
昔、良く祖母は「腹下し」にはゲンノショウコが効くといっていました。でも、当時でもさすがに煎じて飲むわけではなく、この薬草成分入りの薬を飲んでいました。
さてこのゲンノショウコ。「腹下し」がピタリと治ることから、「現の証拠」という意味なのですが、こんな植物です。
観賞用にもよさそうですね。
ゲンノショウコの有効成分は「タンニン」。タンニンは「フラボノイド系ポリフェノール」の1種で抗酸化作用があります。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用します。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることから、イシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名を持ちます。
ゲンノショウコの効能ですが、主成分であるタンニンの作用で、下痢改善や整腸作用に効きます。
本来一般的にはお茶は薬草茶として煎じて飲みますが、ハーブティーとして摂取できます。ハーブティーとして利用する際は、単独あるいは他のハーブと併用して飲まれることもあります。
尚、副作用はほとんどないですが、胃腸が弱っている方は、継続利用を控えた方がよいといわれます。
ハーブティーの味は苦味があり草のような香りがしますが、のど越しはさらりとしています。下痢止めには食後に温かいものを、また便秘には薄めに浸出して冷やしたものを飲むとよい。
また、抗炎症作用と抗菌作用もあるため、肌の炎症を鎮めたい時に濃い目の浸出液で湿布をしたり、かぶれ・湿疹・カミソリ負け・靴ずれなどの皮膚疾患にお悩みの際には、入浴剤として使用することも有用です。
ゲンノショウコは「医者いらず」の別名をもつほど、他にも優れた効能を発揮します。口内炎や喉痛、扁桃腺炎にも有効に働くと言われていて、これはゲンノショウコに炎症を抑制する働きがあるため。
また、女性特有の症状である生理痛や生理不順といったものにも効果的であると言われています。最近ではフラボノイドの一種、ケルセチンに抗アレルギー作用や免疫力強化作用があるとされ、花粉症やアレルギー症状改善、便秘解消に効果的ともいわれます。
また、タンニンの抗酸化作用が高血圧の改善にも効果があります。他の有効成分としては、ヒヨリン、コハク酸、カルシウムなどの各種ミネラルもあげられ、代謝機能の安定作用も期待できます。
さらには利尿作用、健胃作用、強壮作用、冷え症や膀胱炎を防ぐ作用もあるとされ、まさに「医者いらず」の名にふさわしいと言えます。
まとめると、効能は、整腸、緩下、健胃、利尿、抗炎症、抗菌、強壮、血行促進など。
味は、苦味があり草のような香りがしますが、のど越しはさらり。
尚、ゲンノショウコを成分の一つとする薬には、次のようなものがあります。
まずセイロガンですが、これには2種類あり、糖衣錠とそうでない(オリジナルの)正露丸があります。
この糖衣錠の方にゲンノショウコが含まれています。
販売元の大幸薬品によれば、この違いについては、【正露丸には、歯に詰めることによる歯痛(虫歯痛)への効能がプラスされています。正露丸の匂いに対するお好みや状況に応じて、「正露丸」と「セイロガン糖衣A」を使い分けてください。】と説明があります。
蛇足ですが、この正露丸、昔は「征露丸」という名前でした。戦時中から用いられ、兵隊の腹を守り、ロシアを征服するという意味だったそうで、もちろんそれは戦後、名前を改めることになったそうです。
また別の錠剤では「ワカ末止瀉薬錠」にも、ゲンノショウコが含まれています。
実は冒頭に述べた私の祖母が常用していたのは、この「ワカ末」でした。
当時のものは糖衣錠ではなく、黄色の錠剤で「苦い」ものでした。
ゲンノショウコそのものに興味のある方は、こちらをご覧ください。